HTLV-1キャリアの方の母乳育児(重要!)

2016/11/01

 



成人T細胞白血病ウイルス(HTLV)-1のキャリアの方は日本に108万人いらっしゃいます。


50歳以降にT細胞白血病にかかる方がふえてきます。

ただ、脊髄に影響を及ぼすHAMという疾患もあります。

こちらは30~50歳代の発症が多いのですが、10代での発症もあります。

症状は、歩行障害(歩行時の足のもつれ、足の脱力感)、排尿障害、排便障害が主症状です。


最近の報告では、妊娠中の女性がHTLV1キャリアと分かった場合、

お子さんへの栄養は短期母乳(満3か月まで母乳をあたえるが、4か月にはいったら人工乳に切り替える方法)を選択される方が半分くらいです。

 

ここで問題となるのは赤ちゃんがおっぱいしかのまないため、

お母さんが根負けして4か月をすぎてもおっぱいを与えてしまうことです。

 

もちろんお母さんも苦渋の選択なのですが、これだけは避けなければならない選択なのです。

といいますのも、

もし将来お子さんがキャリアとわかったとき、きっとご自分を責めてしまうでしょうから。。

 

10年20年たったとき、いまのどうしようもない思いは薄い記憶になって、

なぜあの時人工乳に変えられなかったのか・・そう思ってしまうのです。

 

わたしがかかわったお母さんもどうしてもやめられなかった方がいましたが、

とにかくあらゆる手を尽くして4か月末には人工乳だけになりました。

 

生後60日を超えたあたりから、90日までに直接授乳(乳房より母乳を与えること)を

中止するための準備を少しずつ始めます。

 

具体的には、搾乳した母乳を哺乳瓶で与えたり、人工乳を導入する等によって、

赤ちゃんがおっぱいと哺乳瓶の違いに混乱し上手に飲めなくなるリスクを少しでも減らすようにします。

90日以後は人工栄養とします。

 

しかし、どうしても何らかの形で母乳を与えたいと強く望まれる場合は、

搾乳し冷凍保存後解凍してから哺乳瓶で与えることもできますが、

このような方法が感染予防に効果があるかどうかは、現時点で確実ではありません 

哺乳ビンをどうしてもいやがる場合、1日でも実家にいって、祖父母などお母さん以外の方に授乳していただくことは受け入れやすい方法かとおもいます。 

基本的にお母さんの望む方法に寄り添っていますが、どうじても進んではいけない道はあります。

それを一緒に踏みとどまっていただけるよう支えていくのも

私たち医療者の腕の見せ所なのでしょうね

今日も皆様にとっていいこと、素敵なことがいっぱいありますように!!

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